虫歯を放置するとどうなる?考えられるリスクや治療法を解説
2025/04/20

こんにちは。東大島(江東区)の歯医者、クローバー歯科東大島です。
虫歯は、多くの方が一度は経験する歯のトラブルです。
しかし、中には虫歯ができていることを認識しているにもかかわらず、忙しくて歯科医院の受診が後回しになってしまったり、歯科医院への苦手意識から治療を先延ばしにしてしまったりすることもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、虫歯を放置することによって生じるリスクと、放置した期間ごとの進行状況や治療方法について解説します。
虫歯を放置するリスク
虫歯が進行する

虫歯を放置することの何よりものリスクは、症状が進行してしまうことです。
初期段階では軽い痛みのみしか目立った症状はないかもしれませんが、放置することで歯全体に感染が広がり、深刻な問題を引き起こします。
また、さらに重症化すると、歯だけでなく、あごの骨や血管にまで感染が広がる可能性もあります。
激しい痛みが出る

虫歯の痛みは、進行段階によって変化します。
初期段階ではしみるような痛みや違和感が生じる程度ですが、虫歯が進行するにしたがって、鋭く持続的な痛みへと変わっていきます。
このようなズキズキとした鋭い痛みの原因は、虫歯菌が歯の神経に侵入し、炎症を引き起こしているためです。
特に夜間に痛みが強くなることが多く、不眠症を誘発したり、集中力を欠く原因になったりします。
歯根に膿がたまる

進行した虫歯がさらにひどくなると、歯根に膿が溜まる可能性があります。
これは、感染が歯根にまで及んでしまった状態であり、下あごの奥歯で進行した場合には、最終的には麻痺を引き起こす可能性もあります。
また、上あごの場合でも、膿が蓄積すると上顎洞炎(歯性上顎洞炎)を発症することがあります。
治療法としては根管治療や歯根端切除術があり、状態によっては抜歯が必要になります。
口臭がひどくなる

虫歯が進行することで、口臭が悪化することがあります。
これは、虫歯菌が食べ物の残りとともに分解され、口臭の原因となる化合物を生成するためです。
重症化すると歯磨きや口臭予防グッズでは改善されない場合が多くなり、社会生活や人間関係において支障をきたしてしまうリスクがあります。
口臭を改善するためには、根本原因である虫歯の治療を行うことが重要です。
虫歯の進行速度
虫歯の進行速度は、生活習慣や口腔ケアの習慣によって個人差があります。
例えば、甘いものや炭酸飲料を頻繁に摂取する習慣があると、虫歯は進行しやすくなります。
また、歯磨き習慣が十分でない場合も、プラークが口内に長時間残ることで、虫歯菌が活発に活動し、迅速な進行を招きます。
逆に、日頃から歯磨きやデンタルフロスを使った丁寧な口腔ケアを心がけている場合、虫歯の進行がゆるやかになる可能性があります。
ただし、そのような場合でも、1年以上放置するとほとんどのケースで虫歯は深刻な段階に至ります。
放置する時間別の虫歯リスク
3カ月~半年
3カ月~半年ほど放置された虫歯は、初期虫歯として知られるCOからC2に進行します。
これにより、痛みが徐々に強くなり、冷たいものや甘いものが触れるとしみるような感覚を覚えるようになります。
この段階の虫歯は、ほとんどの場合、虫歯部分を削り取って詰め物をすることで対処できます。
しかし、COの状態で歯科医院を受診していれば、フッ素塗布などの予防的治療を行うことにより、歯を削らずに治療できる場合もあります。
歯を守るためには、少なくとも3カ月に一度は定期検診を受けておくことが大切だといえます。
半年から1年
虫歯を半年から1年ほど放置すると、虫歯が象牙質にまで達しているC2の段階から、神経にまで達したC3の状態に至る可能性が高くなります。
その結果、夜も眠れないほどの痛みに悩まされることもあります。治療では、虫歯を大きく削り取る必要があり、詰め物ではなく、かぶせ物を使用する場合が多くなります。
また、神経にまで達した虫歯は、根管治療が必要になります。
1年以上
虫歯が1年以上にわたって放置された場合、虫歯は歯の神経にまで達していることがほとんどであり、中には神経が壊死してしまっている場合もあります。この状況になると、根尖性歯周炎や顎骨骨髄炎といった合併症を引き起こすリスクも高くなります。
治療法としては抜歯が選ばれる場合が多く、入れ歯やブリッジ、インプラントなどを用いて失った歯の機能を補う必要が出てきます。
3年以上放置した虫歯の治療法
歯を保存できる場合
虫歯を3年以上放置したケースでは、ほとんどの場合において抜歯が必要となります。
しかし、歯の保存が可能な場合もわずかながらあり、この場合にはまず細菌感染を取り除くための根管治療が行われます。
根管治療は、歯の内部を清掃して消毒し、その後密閉する処置のことです。
この治療によって、痛みの原因である感染を除去し、歯の保存を試みます。
根管治療は、複数回の通院が必要となりますが、歯を保存するためには欠かせない処置です。
歯を保存できない場合
虫歯が深刻なために歯を保存できない場合には、抜歯が避けられません。
この場合、失われた歯の機能を補うための補綴治療に移行します。
具体的には、入れ歯やブリッジ、インプラントなどを用いて歯の機能を補うことになります。
痛みがなくなったからといって放置するのは危険

虫歯を放置していると、突如痛みがなくなる場合があります。
しかし、痛みがなくなったからといってさらに虫歯を放置するのは危険です。
痛みが消えたのは、歯の神経が死んでしまい、神経が痛みを感じる能力を失ってしまった可能性が高いからです。
実際には歯の内部で問題が深刻化している可能性があるため、後回しにせずにできるだけ早く受診するようにしましょう。
まとめ

虫歯を放置することは、多くのリスクにつながります。
初期段階で対処することで歯を削らなくて済んだり、痛みの少ない治療ができたりする場合も多い一方、放置することにより虫歯は深刻化し、痛みや感染の重症化、治療の複雑化、治療費の増加といった問題につながってしまいます。
定期的な歯科受診と日々の口腔ケアを大切にし、健康な口腔環境を保つことが、虫歯と無縁の生活を送るための方法です。
疑わしい症状があればすぐに診察を受けましょう。
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