歯ぐきが腫れているのに痛くないときの原因とは?放置するリスクと治療法を解説
2025/11/20
こんにちは。東大島(江東区)の歯医者、クローバー歯科東大島です。
痛みを伴わない歯ぐきの腫れは、気づきにくく、放置してしまいがちです。
しかし、痛みがないからといって、問題がないわけではありません。
放置すると、将来的に歯を失う原因や全身の健康リスクにつながることがあります。
今回は、痛みを伴わない歯ぐきの腫れの原因や放置するリスク、治療法について解説します。
歯ぐきの腫れの原因
歯根破折
歯根破折とは、歯の根が割れてしまっている状態です。
大きな力がかかったり、過去の治療により歯質が弱くなっていたりすることで起こります。
歯根破折を放置すると、炎症が周囲の歯や歯ぐきに広がり、さらなる問題を引き起こすリスクがあります。
根尖病巣
根尖病巣は、歯の根の先に膿がたまっている状態です。
虫歯が進行した場合や、根管治療が不完全であった場合に起こりやすく、痛みがなくても歯ぐきの腫れが症状として現れることがあります。
放置すると、歯を支える骨にまで影響を及ぼし、歯を失うリスクが高まるため、早期に歯科医院で診察を受けて感染源を除去することが重要です。
フィステル
歯根破折や根尖病巣が進行すると、膿がたまり、フィステルと呼ばれる膿を排出する通路が歯ぐきにできることがあります。
フィステルは痛みを伴わないことが多いですが、この状態は、歯や歯ぐきの内部で炎症が続いているサインです。
放置すると感染が広がり、周囲の骨やほかの歯にも影響を及ぼすリスクがあります。
歯周病
歯周病は、初期段階では痛みを伴わないことが多いですが、症状が進行すると歯を支える骨が溶け、歯のぐらつきや喪失につながることがあります。
痛みがなくても腫れが見られる場合は、すでに病状が進行している可能性があるため、早めの検診と歯周病治療が必要です。
ストレス・疲労
ストレスや疲労が、歯ぐきの腫れの原因になることもあります。
これは、口腔内の常在菌が、体の抵抗力低下によって炎症を引き起こすためです。
歯ぐきの腫れを放置するリスク
多くの口腔内の問題は初期段階では痛みがなく、気づかないうちに進行してしまいます。
例えば、歯周病や根尖病巣は初期では無症状のことが多いですが、進行すると歯を支える骨が損なわれ、歯を失うリスクが高まります。
また、細菌感染が広がると、歯ぐきだけでなくあごの骨やほかの歯にまで影響を与えるリスクがあります。
痛みを伴う歯ぐきの腫れの原因
虫歯
虫歯が進行すると、歯の神経や根の先にまで細菌感染が広がり、膿の袋である歯根嚢胞や根尖病巣が形成されることがあります。
このタイプの腫れは、原因となる虫歯や根の中の感染を取り除かない限り繰り返し起こりやすく、放置すると感染が骨にまで広がり、痛みや腫れが悪化する恐れがあります。
智歯周囲炎
半分だけ頭を出している親知らずや斜めに生えている親知らずは、周囲に食べかすや細菌がたまりやすく、智歯周囲炎と呼ばれる炎症を引き起こすリスクがあります。
智歯周囲炎になると、歯ぐきが腫れ、痛みを伴うようになるほか、口を開けにくくなるなどの症状が現れます。
また、その状態を放置すると膿が溜まり、強い痛みやあごの骨や喉への炎症拡大を招くリスクもあります。
口腔がん
歯ぐきの腫れで特に注意が必要なのは、口腔がんが原因で腫れている場合です。
口腔がんの初期症状には、口腔内の痛み、しこり、出血、腫れなどが挙げられますが、初期段階では痛みが少ないことが多く、痛みを感じた時にはすでに進行していることもあります。
歯ぐきの腫れが持続する場合は、痛みの有無にかかわらず早期に歯科医院を受診し、必要に応じて口腔がん検査を受けることが重要です。
歯ぐきの腫れの対処法
患部への刺激を控える
患部を刺激すると炎症が悪化し、痛みが強くなる可能性があります。
指や歯ブラシで触ったり、腫れた部分をマッサージしたりするのは避けるようにしましょう。
炎症を悪化させずに腫れを抑えるためには、優しく歯を磨いて口腔内を清潔に保ち、患部に直接的な刺激を与えないことが大切です。
患部を冷やす
歯ぐきの腫れがひどい場合は、頬の外側から冷たいタオルなどを使って冷やすことで炎症を和らげましょう。
冷却することで血管が収縮し、腫れや痛みの原因となる血流の過剰な流れを抑えられる可能性があります。
ただし、長時間冷やしすぎると血行が悪化することがあるため、1回あたり5〜10分程度を目安にし、肌に直接氷をあてるのは控えるようにしてください。
口内を清潔に保つ
歯ぐきの腫れを悪化させないためには、口内を清潔に保つことが重要です。
歯磨きの際は、腫れている部分は優しく磨くようにし、歯間ブラシやデンタルフロスも併用することで食べかすや歯垢をきれいに取り除くようにしましょう。
鎮痛剤の服用
腫れとともに痛みがある場合には、我慢せずに鎮痛剤を服用しましょう。
ただし、痛み止めは一時的な症状緩和に過ぎず、原因となる炎症や感染そのものを治すわけではありません。
そのため、鎮痛剤で痛みが治まったとしても、歯科医院で診察を受け、根本的な治療を行うことが大切です。
また、服用方法や量は、説明書や歯科医師の指示に従うようにしてください。
歯ぐきの腫れの治療法
歯ぐきの腫れは、原因に応じて治療方法が異なります。
虫歯が原因で腫れている場合は、感染した歯の治療として根管治療や虫歯の除去を行い、智歯周囲炎であれば、親知らず周辺の清掃と炎症の鎮静、必要に応じて親知らずの抜歯が検討されます。
また、歯周病が原因の場合は、歯垢や歯石の除去、歯周ポケットの清掃、場合によっては歯周外科処置などで炎症を取り除きます。
歯根破折や歯根の損傷が原因であれば、折れた歯の抜歯や修復、必要に応じた補綴治療が行われます。
まとめ
歯ぐきの腫れは、虫歯や歯周病など、口内トラブルが原因となっている場合がほとんどです。
口内の汚れを取り除いたり、冷やしたり、鎮痛剤を服用したりすることで一時的に症状が緩和する場合もありますが、根本的な改善のためには歯科医院での診察が欠かせません。
腫れや違和感がある場合は、痛みの有無に関わらず早めに歯科医院に相談し、原因を特定して治療を受けるようにしましょう。
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